2012年08月01日

シンヂと僕とボランティア

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7月6日のブログに書いた記事、
「ボランティア日記が書籍化されます」の詳細情報です。

「シンヂ、僕はどこに行ったらええんや」(双葉社)
8月8日(一部10日)発売

Amazon http://tinyurl.com/c7y9ku2
honto(旧bk1) http://tinyurl.com/bqctgns
楽天 http://tinyurl.com/ce9ppk8

ネットでは二種類の定価が表示されていますが、1680円が正しいです(多分)。

本日の記事は、この本について語っていますが、内容には一切触れていません。
テーマについてはこちらをぞどうぞ。
http://inufun.sblo.jp/archives/20120706-1.html

  ※  ※  ※


詳細発表が遅くなったのは、ギリギリまで隠しておきたかったから。
読者……
ではなく、この本の表紙の男〈シンヂ〉に。

  ※  ※  ※

彼は僕の友人、
そして僕をボランティアに向かわせたきっかけの男、なのだが……

彼は僕にいつもサプライズをする。
例えば、

大阪在住なのに、東京での僕のサイン会に現れたりとか、
大阪なのに僕の誕生日の夜にケーキ持って玄関の前に立って「サッカーの代表戦、観に来た」と言ったり、
夢舞いマラソンを走ろうとスタートラインに立ったら、横にゼッケンつけて立っていたり(何度も言うが、彼は大阪在住だ)。

そんなことが、これまで何十回もあった(ひょっとしたら今だって、玄関のチャイムが鳴るかもしれない)。


だから常々思っていた。
一度ぐらい彼を驚かせたいと。

そのチャンスが訪れた。
編集者との打合せの席で、単行本のタイトルに彼の名前、表紙に彼の写真を使うことに決まったのだ。


ふふふ、シンヂよ、
発売日に本屋で驚け!!


そうニヤツキながら、作業をする日々。
彼と会っているときも、言いたい気持ちをこらえるのが大変だった。

そんなある日、またまた彼は突然現れた。
「東名高速を走ってたらトイレに行きたくなったので借りに来た」と。
言うまでもないが、僕の家は東名高速とはまるで関係ない場所にある。

「またか」と思ったけれど、その日はいつもと違って笑っていられない理由があった。

なぜなら、そのときの僕はこの本のゲラ作業中で、
机の上には一冊分の原稿が乗っていたから。

ゲラは遠くから見れば、ただのテキストの羅列である。
だが、少し近づけば、すべてのページの左右に、タイトルである〈シンヂ〉が印刷されているのが見て取れるのだ(6日の画像は、メガネでこれを隠している)。

慌ててゲラをかき集め、別の部屋に運んで隠す。

「ちょっと休憩して行ってもええすか?」彼は問う。
わざわざ大阪から来た友を追い出す訳にはいかない。

「あ、キクニさんは俺のこと気にせんで仕事しといてええですよ」
一応気を遣って尋ねてくれる。

うん、仕事したいのはやまやまだ。
〆切は明日だしね。
でも……

君がおったら仕事ができんのじゃあああああああ!

この本の表紙は、ボランティア先で知り合ったカメラマン成瀬敦視君が、東松島のテント村でシンヂを撮ったものだ。
彼とシンヂもボランティアで知り合った仲だから、その付き合いは、まだ一年を少しこえたぐらいだ。
でも今では埼玉の彼の家は、シンヂの東京事務所と化し、シンヂは鍵も持って自由に出入りする間柄になっている。

ある日の朝、成瀬君が階下におりてみると仕事場にシンヂがいた。
「あー、来てたんですか?」
いつものように挨拶して、彼も気づいた。

仕事机の上に、表紙の色校が乗っているじゃないか!!

「幸い、裏向きだったんですけど、ほんとに困らせてくれる人です」



そうやって隠し続けてきた表紙である。
でも気がついたのだ。
発売日に本屋でシンヂを驚かせるということは、その日まで一切の告知ができないことを意味すると。

僕の負けである。
一週間前に彼に知られてしまうのだから。


そして今になってありうべき可能性に思い当たった。
シンヂに「肖像権の侵害や」と訴えられること。

もし、そうなったら……
本は回収である。

いやだなあ。ドキドキ。
うん、決めた。
もう、サプライズは二度としない。

★本日の画像
1)津波から逃げる車の中で生まれた子犬、を抱くシンヂ
2)東名高速から我が家に「サッカー観せて」と現れた、ある日のシンヂ
posted by kikuni at 09:17 | 日記